2011年 08月 10日
伝承花に学ぶ |
今月は 研究会はお休みですが 「 水もの講習会 」 へ出席してまいりました
暑さがぶり返し この日も 容赦なく太陽が照りつけ へなへなになりながらも
青山の小原流会館の中では 真剣に 偉~い先生のお話を聞き入ってました
だって、居眠りしたり お喋りしたら 水鉄砲で水をかけると おっしゃるんですよ
先生 面白すぎです^^
水もので使われる水生植物の 睡蓮が 水面に浮かんで涼しげです
基本的には 写景挿花の 近景になります(近くで見る景色)
近くで足元を見ると こんな感じ
睡蓮の花の周りを 浮葉(浮いている葉)三枚で囲み
花より遠く 巻き葉(巻いている葉)を浮き葉に接着させて立たせ
流し葉(細長い茎をつけた小さな浮き葉)が花の株から二枚流れるかのように…
左の主の根元にも 睡蓮と そのまわりに二枚の浮き葉と 巻き葉を…
というように 写景盛花の中でも 様式本位は すべて決まりごとがあります
盛り花という活け方を発案した初代家元から 脈々と続いている伝承花のひとつです
研究会では 限られた時間の中で 葉がくるんと巻いてしまわないように
茎から葉の中に 水を注入したり 巻き葉をきちんと立つように工夫したり
流し葉が 思い通りの方向に行くように 茎をなでなで、いい子、いい子したり
もう、必死なんですよ~ ^^;
こちらは かきつばたの五株挿し
屏風絵のようです
菖蒲は 花から先に活けますが かきつばたは 3~5枚の葉を組んでから
花は あとから活けます。 葉の組み方も決まりごとがあります
太い枝、または細い枝 そして 葉のような薄いものは
剣山では 挿しにくいので このように 七宝(しちほう)を使います
大穴と細穴があり どの穴に入れるかも決まっています
様式は 覚えることが多すぎて大変です…
しかし 完成されてる様式美は やはり決まると素晴らしく美しいですよ
水ものである写景は すべて近景ですが 水面を俯瞰して見る 連々と咲く蓮に限っては
遠景(遠くから見る)となり 特殊です
花は葉より高く、巻き葉は葉より低く 立ち葉を浮き葉のごとく茎を見せないようにします
講師の先生は 壇上から皆さんに向かって 大作を後ろからお活けになります
しかも説明しながら ちょいちょい 冗談を交えながら…^^ さすがです
おもてなしのお花としては 最適なんですね
季節を活けるいけばなは 早春、春、初夏、夏、秋、晩秋、冬によって
さまざまな花材を用い 活け方を変えます
今回は 夏の季節の水ものです 季節によって水の見せ方にも違いがあります
そもそも「水もの」とは 素材的に陸(おか)の植物にたいして
水面や水辺の植物という分類ができますが
小原流の水ものの考え方は 素材上の概念だけでなく
水生植物、水辺植物を使いながら 池や川などの水面や水辺の風致景観をも意味し
葉を組んだり 株挿し等の技法を用いて描写する 表現上の概念も同時にこめられてます
言葉にすると難しく やってみると さらに難しいのですが…^^;
しかし、そこに伝承花のおもしろさがあり 奥義の深さがあるのです
開始前… 熱気ムンムン
終了後 順番に 作品を見ていきます
ここは どうなっているのかな ~ ?
そしてこの日は 別室で 花展があったので
講習会が始まる前に 見学
講習会後、小原流会館のすぐ近くにある HATAKE で ランチを楽しみました
このお店 最近とても流行っていて 前回のお家元の講習会後は 満席で入れませんでした
今回は しっかり予約し コースのお料理を2時間かけて ゆっくりいただきました
もちろん 美味しかったですよ。
その後 上野まで行き 学生時代の後輩達とライブの打ち合わせをしてきました
そうです 今年の年末も やっちゃいますよ 親父、おばさんバンド!
by kumiko-uno
| 2011-08-10 15:11
| ikebana